避難所運営は、わからないことばかり。
大災害が発生した度に必ず問題になるのが、避難所運営のことです。
なぜ避難所運営が問題になるかというと、もちろんそれがなかなか上手くいかないからです。
避難所運営の課題について整理してみましょう。
分類のしかたが難しいのですが、とりあえず以下の分類で整理します。
1 基本的問題
・誰が運営するかはっきりしない。
・運営する人が決まっていたとしても、誰が生きているかわからないのでその人が来ることができるかわからない。
・避難所運営の経験者がいない。教えてくれる人もいない。
・一番最初に何をすればよいかわからない。
・誰と何をどうやって相談し、決定すればよいかわからない。
・やるべきことが多すぎる。優先順位もわからない。
・停電、断水、電話・メール不可、道が通れないなどの条件下で手の打ちようがない。
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2 人の課題
・どんな人が避難してくるかわからない。
健常者、老人、寝たきりの人、体や心に障害がある人、妊婦さん、
乳幼児、震災孤児、負傷者、外国人、病気がある人、感染症の人・・ご遺体?
・何人くらい来るかわからない。入れないくらい大勢くるかもしれない。
・やるべきことに対して人手が足りない。
・個々の要配慮者にどう対応したらよいかわからない。
・どんな人にどこに腰をおろしてもらえばよいかわからない。後で移動してもらえるかわからない。
・地域の交流が少ないので、知り合いもいないし、どんな人が住んでいるかも知らない。
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3 物の課題
・トイレが使えない。
・危険な個所がある。
・水も食料もない。
・寒さをしのぐ物がない。
・間仕切りがない。
・毛布や着替えがない。
・明かりがない。
・携帯電話の充電器がない。
・薬がない。
・間仕切りがない。
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4 空間設計の課題
・コロナの流行により、新たな課題が増えました。
受付の動線、ゾーニングなどは様々な機関から案が示されているので、それらを参考にすればよいと思いますが、車中泊増加への対応案はあまり見かけません。
食事は欲しいが屋内には入りたくないという車中泊希望者が多数来た場合、その人たちは通常の受付に来てくれるかわからないので、たとえば車の侵入口にも受付を設置するとかも考えられます。
また、車中泊者が外トイレ、場合によっては屋内トイレを使用するので、衛生管理をどうするか。
校庭の駐車利用のための通路の設計は当日考えたのでは間に合わないので、一方通行にするかどうか、誘導員の配置も含めて考えておく必要があります。
ゾーニングについても、個人的に聞いた範囲では、市町村から教育委員会にゾーニングの原則は伝えているようですが、個々の学校でゾーニングが決まっているかというと微妙な感じです。
5 出来事の課題
・トイレがあふれたが、とりあえずトイレ対策をどうしたらよいかわからない。
・報道機関が取材に来たが、どう対応すればよいかわからない。
・安否確認の問い合わせが多いが、どう対応したらよいかわからない。
・水や食料が届いたが、避難者に対して少なすぎて、どう配付すればよいかわからない。
・在宅避難者が食事をもらいに来たが、分けてよいものかどうかわからない。
・ご遺体が運ばれてきたが、どう対応すればよいかわからない。
・国や県、防災関係機関などから視察者が来るが、どう対応すべきかわからない。
・停電、断水にどう対応すればよいかわからない。
・犬などのペットを連れた避難者が多数来たが、どうすればよいかわからない。
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